●正月2日、古都奈良の興福寺・国宝館を訪ねてみました。昨年の「平城遷都1300年祭」の賑わいも落ち着き、ようやく鑑賞することができました。興福寺の出入口を行くと、右手に国宝館、左には東金堂、五重塔、中央には再建中の中金堂等が配置されています。それぞれ何度かの火災や兵火によって焼失され、その都度再興されたという。
●国宝館には、数多くの国宝・重要文化財が納められていました。「天平の群像」と言われ、兵火を免れた阿修羅像などの「八部衆像」(国宝)には引き付けられるものがありました。特に「阿修羅像」には、奥深い思慮に満ちた眼差しに、何かを語りかけている様にも見えました。天平の仏師たちによる、仏教の教えと仏像表現の融合が、1300年の歳月を経て、現代にも訴える力を失っていないのではと思いたくなります。