●先週(3月14日)サンスクエア堺で「百舌鳥野の幕開け」と題して講演会がありました。午前10時~午後4時過ぎまで、詳しい資料を踏まえての説明でした。「乳岡(ちのおか)古墳」(堺区石津町)の調査成果によれば、古墳群の最初に築かれたとのこと。前方後円墳の前方部がほとんど失われていることや石棺の特徴等の説明がありました。「下田遺跡」(西区下田町)では350~400年頃古墳群の築造に合わせて、この地域の支配権を掌握した大集落であったそうです。(堺市文化財課土井和幸氏、森村健一氏各々説明)
●「4、5世紀における朝鮮半島諸国と倭国」井上直樹氏・京都府大准教授、「百舌鳥への招来・渡来手工業生産の展開」一瀬和夫氏・京都橘大教授、「巨大古墳の環大和政権配置」広瀬和雄氏・国立歴史民俗博物館教授それぞれ講演がありました。その中で中国、朝鮮半島からの使節団が海から眼にするのは、上町台地に大きく築造された仁徳陵・履中陵ほかの墳墓であった。上陸して「倭国」へ行く街道沿いにそれらの巨大墳墓を見て、どんなに驚いたことだろうとのこと。「それは畿内五大古墳群=中央政権(大和政権)の権力のありかを見せ付けるモニュメントであった」という説明でした。堺市の担当者より、「百舌鳥・古市古墳群を世界文化遺産登録をめざすための講演会で、市民の理解と関心をもって頂く為、これからも講演会などを開催したい」とのこと。次回も参加したいと思いました。