●11月26日(土)、プール学院大学(堺市南区槇塚台)にて「人間ばんざい」と題して、直木賞作家・難波利三氏(堺市在住)の講演がありました。晴美台・槇塚台両連合自治会の合同による「福祉教養講座」として催されました。陶器山の麓にある、緑に囲まれたキャンパスは、瀟洒な建物と静かな佇まいの中にあります。
●氏は少年時代~直木賞受賞に至るまでの半生を語ってゆきます。7人兄弟の真ん中で厳格な父の下で高校時代を迎え、大学へ進みたいが父に反対される。 自力で大阪へ出て、天王寺近くの関西外国語短大へ入学。生活費を稼ぐ為「ギターの流し」をしたり、業界紙で働くが、重い肺結核にかかり闘病生活を余儀なくされる。貝塚のサナトリュウムで療養している間、次第に文学に興味を持ったという。
●そして「夏の日」「日だまり」の作品が入賞・佳作となる。退院後本格的に直木賞をめざして“天王寺村”の長老芸人を取材したという。それを題材にした「てんのじ村」が直木賞となる。この老いた芸人が“しょうもない芸”を50年も人生をかけ、やってきたことが大事であるという。 最後に、地域での若い人と年寄りの交流の場を、自治会などを通してこれからもやって欲しいとのこと。また「ふるさと泉北」をテーマに、小・中学生から作文を募集して表彰すること等の提言がありました。