‘博物館・記念館’ カテゴリーのアーカイブ

司馬遼太郎記念館を訪ねて(2)

2011年8月3日 水曜日

前回に引き続き、司馬遼太郎記念館の周辺の風景について触れてみたいと思います。近鉄・奈良線「河内小阪駅」の南側に商店街があります。この近くに、司馬遼太郎の行きつけの喫茶店があると聞いたことがありました。通りに面して、古風な喫茶店「みふく」という店が目に付きました。

駅前の商店街

店に入るとかなり広さがあり、数組の人達がいます。中ほどの席に座り、モーニング・コーヒーを注文する。この店が、司馬先生が生前よく来たお店ですか?と聞いてみました。店の女性は、にっこりとうなずいて、「奥さんと一緒によく来られました」と話してくれました。                                      このような落ち着いたシックな店で、どんなことを想い巡らしたのであろうか。作家活動の合間にコーヒーをすすりながら、構想を練ったかもしれない。

喫茶店「みふく」

商店街を抜け、南東に進むと「小坂神社」があります。案内板によると、元禄年間に下小阪の原野が開拓され、集落が出来たとのこと。神社は吉野の水分大神を祀っているという。庶民の町にふさわしい、飾り気のない神社や気さくな河内の町並みをぶらぶら歩き進むと、近くに記念館の森が見えてきた。                      (追記)記念館の販売コーナーの多くの書物の中で「街道をゆく27、因幡・伯耆のみち、檮原街道」を購入した。どんな世界が描かれているのだろう・・・。

小坂神社

司馬遼太郎記念館を訪ねて(1)

2011年7月31日 日曜日

8月30日(土)、「司馬遼太郎記念館」を訪ねてみました。秋予定の見学会の下見をかねた、5、6年振りの鑑賞です。近鉄・奈良線「河内小阪駅」を下車して、南側の商店街を抜け、「東大阪歴史の道」の道標に従い、約12分で記念館に着きました。

司馬遼太郎記念館の林

記念館の敷地に入ると、そこは雑木林の深い緑の森に引き込まれてゆきます。コナラ・山桜・ミツバツツジ・シャクナゲ・アキニレ・・・等々多くの木々に名札がかけられています。生前、「司馬遼太郎は自然のままのたたずまいを好み、・・・雑草もあまり抜かず、秋から冬にかけては落ち葉の落ちるままにまかせていました」(パンフより)という。

庭の森より書斎を望む

館内の展示室に入ると、高さ11mの壁面の書棚と2万余冊もの蔵書がイメージ展示されています。安藤忠雄氏による設計は、「司馬遼太郎の頭脳の延長上にあり・・・」「この空間で司馬作品との対話あるいは自分自身との対話を通じて何かを考える、そんな時間をもっていただければ・・・」(パンフより)という思いで表現されたという。                                   膨大な歴史資料・書籍・自身の著作図書・・・等の書庫を見上げると、司馬遼太郎の世界に圧倒され、感激するばかりでした。

記念館パンフより