‘博物館・記念館’ カテゴリーのアーカイブ

“須恵器の謎”を解く

2010年12月23日 木曜日

●12月19日(日)、南図書館(堺市南区茶山台)主催の「地域講座」がありました。「日本最初の陶磁器・須恵器の謎」と題した、森村健一氏(堺市立すえむら資料館)の講演を聞きました。

南図書館

●森村氏は、泉北ニュータウン周辺の丘陵地において約1550年前から須恵器の生産が始まり、その後平安時代に活動停止するまで500年間日本最大の須恵器生産地であったという。「陶邑(すえむら)窯跡群」と呼ばれ、窯跡数が約1000基あり、須恵器2585点が重要文化財に指定されています。陶邑というのは『日本書紀』の「茅淳県(ちぬのあがた)陶邑」から名づけられたとのこと。

「須恵器の謎」講演

●注目したのは、従来「登窯」としていた表示が「窖窯(あながま)」に改められたことでした。それは山の急斜面を掘り込んで、窯を造ったことに由来するとのこと。「登窯」が地面から造るため、窯にヒビが出来易く、空気が入り込み「酸化焔」となります。それに対して、「窖窯」は空気を遮断するため「還元焔」になり、より堅くて丈夫な須恵器の生産が可能になったと言う。

栂TG61号窯

●講演終了後、大蓮公園にある「堺市立すえむら資料館」へ見学に行きました。途中、移築復原された「栂TG 61号窯」の説明がありました。館内では、初期須恵器の展示コーナーから、年代ごとの第Ⅰ形式(5世紀頃)~第Ⅴ形式(平安時代頃)までの須恵器が展示されていました。又、森村氏から丁寧な説明があり、受講者の人達も遙か古代の陶邑に思いを馳せて、熱心に聞き入ってました。(参照:2009年11月26日記事)

パンフレット

小谷城郷土館を観る

2010年9月10日 金曜日

台風一過の、ようやく秋を感じさせる日に「小谷城郷土館」(堺市南区豊田)を訪ねました。泉ヶ丘駅前より鉢ヶ峰畑行き「豊田南」下車徒歩5分の所にあります。小高い山の上に「小谷城跡」の石碑が建てられている。山の中腹には真新しい病院があり、そのすそ野に小谷城郷土館がありました。小谷城は13世紀中頃(鎌倉時代)に築造され、東山城(豊田城)、西山城(栂山城)とともに鼎(かなえ)城といわれ、平氏一族の小谷氏の居城であるという。

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入口の長屋門をくぐると、母屋が重厚な大屋根を広げていた。母屋には昭和初期の風土を伝える写真、堺更紗、堺鉄砲等が展示されています。また長屋門の両側は農具、漁具や昔の台所用品、燈火具、考古資料(須恵器・瓦他)が展示されていました。小学校の課外授業であろうか、生徒達は説明に聞き入り、展示品をじっと見ていました。

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母屋の庭には、鮮やかな赤い筆状の花が風に揺れて、母屋の佇まいを華麗に引き立てていました。花の名は何というのだろう。「オジギソウ」であろうか。

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