●先日、ある会合で「稲むらの火の館」(和歌山県広川町)を見学する機会がありました。特産の「温州みかん」の畑と、山頂までのびるオレンジ色や緑の山々に囲まれた町に、ひときわ目立つ3階建ての館があります。館内のガイダンスルームで、職員の方による説明がありました。 ①1854年(安政元年)11月「安政南海地震」の時、帰郷していた濱口梧陵(本家ヤマサ醤油)が「稲むら」(ススキという稲束を重ねたもの)に火を放って村人を誘導、多くの人を助けたこと。②被災から3ヵ月後には、私財を投じて家を建て、堤防建設の為に村人を雇ったこと。③3年後にはその堤防を完成させたという。
●「3D津波映像シアター」では、津波の恐ろしさと高台への避難の重要性を実感できます。地震から大津波が来るまでの状況が、中継画面のように写されます。又、「濱口梧陵」の物語を3Dによる迫力ある映像で繰り広げます。
●館より海岸に3分位歩くと「国史跡・広村堤防」があります。高さ5m長さ600mの堤防は松林がうっそうと繁っていました。昭和南海地震(昭和21年)の津波から護ったという。近くには、地震計付津波警報スピーカー(風力と太陽光発電・蓄電付)が設置されていました。また防潮堤も遠隔操作で閉じる様になっているとのこと。 防災の先進的な取り組みに、大変勉強になりました。