●前回に引き続き、司馬遼太郎記念館の周辺の風景について触れてみたいと思います。近鉄・奈良線「河内小阪駅」の南側に商店街があります。この近くに、司馬遼太郎の行きつけの喫茶店があると聞いたことがありました。通りに面して、古風な喫茶店「みふく」という店が目に付きました。
●店に入るとかなり広さがあり、数組の人達がいます。中ほどの席に座り、モーニング・コーヒーを注文する。この店が、司馬先生が生前よく来たお店ですか?と聞いてみました。店の女性は、にっこりとうなずいて、「奥さんと一緒によく来られました」と話してくれました。 このような落ち着いたシックな店で、どんなことを想い巡らしたのであろうか。作家活動の合間にコーヒーをすすりながら、構想を練ったかもしれない。
●商店街を抜け、南東に進むと「小坂神社」があります。案内板によると、元禄年間に下小阪の原野が開拓され、集落が出来たとのこと。神社は吉野の水分大神を祀っているという。庶民の町にふさわしい、飾り気のない神社や気さくな河内の町並みをぶらぶら歩き進むと、近くに記念館の森が見えてきた。 (追記)記念館の販売コーナーの多くの書物の中で「街道をゆく27、因幡・伯耆のみち、檮原街道」を購入した。どんな世界が描かれているのだろう・・・。